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INCIDENT RECORD

ウェブサイトに、実際に起きたこと。
出典つきで、1か所に。

1日 1万3,687件

警察庁のセンサーに届く、脆弱性を探す不審なアクセス(1つのアドレスあたり)

1,748件

実際の攻撃で悪用が確認できた脆弱性(米国 CISA の KEV)

58件

この記録の、出典つきの事件

  • 更新:
  • 事件 57件
  • 参考 1件
  • 数字 5件

CYBER ATTACKERS

攻撃する側の様子を、官公庁の数字で。

攻撃する側は、1つのサイトを選ぶ前に、機械で多くのサイトを巡回し、脆弱性のあるバージョンや設定の不足を探しています。特定の組織だけの話ではなく、公開しているすべてのサイトが巡回の対象です。

組織的なサイバー攻撃者身代金などが目的
自動スキャン365日24時間止まらない
全国のサイトを調べるバージョン番号・設定の不足を集める
脆弱性が見つかる古いバージョン・設定の不足

1日 1万3,687件

警察庁のセンサーには、脆弱性を探す不審なアクセスが、インターネット上の宛先(IP アドレス)1つあたり 1日 1万3,687件届いています。その大部分は海外からです。

出典:警察庁「令和8年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」(2026年9月)p.5(KnownFor が要約・加工して作成)
確認した日:

約13秒に 1回

NICT の観測では、宛先(IP アドレス)1つに届く攻撃に関わる通信は 1年で約250万。計算すると約13秒に 1回です。警察庁は「公開された機器やサービスが、常時第三者に探索される前提で運用されている」と書いています。

出典:NICT「NICTER 観測レポート 2025」(2026年2月)/警察庁「令和7年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」p.19(KnownFor が要約・加工して作成)
確認した日:

半期で最多 123件

ランサムウェア(データを人質に身代金を求める攻撃)の被害の報告は、統計を取り始めてから半期で最多の 123件。サイバー攻撃者は「未修正のぜい弱性や漏えいした認証情報等を悪用」して侵入します。

出典:警察庁令和8年上半期 p.9・p.10(KnownFor が要約・加工して作成)
確認した日:

1位・4位

組織の脅威の 1位は「ランサム攻撃による被害」、4位は「システムの脆弱性を悪用した攻撃」です。

出典:IPA「情報セキュリティ 10大脅威 2026」[組織](KnownFor が要約・加工して作成)
確認した日:

1,748件

米国の CISA(サイバーセキュリティ・インフラストラクチャー安全保障庁)は、実際の攻撃で悪用が確認できた脆弱性の一覧(KEV)を公開しています。2026-10-16 時点で 1,748件が載っています。米国の連邦機関は、この一覧に載った脆弱性を、期限を決めて直すことを求められています。

出典:米国 CISA Known Exploited Vulnerabilities Catalog・BOD 26-04(2026年6月)(KnownFor が要約・加工して作成)
確認した日:

数字は各機関の公表資料から KnownFor が要約したもので、原文のままではありません。くわしくは出典をご覧ください。

INCIDENTS

事件の一覧

「関係する所見」は、事件の原因や被害と同じ種類の脆弱性を、KnownFor のスキャンが外から見える範囲で示す所見です。この事件そのものを KnownFor が見つけた、という意味ではありません。

世界・日本企業・学校などサービスの一時停止

PHP の脆弱性 2件(PHP2Shell)と国内のサービスの一時停止(2026年10月)

  1. 1PHP に外からプログラムを動かされうる脆弱性 2件
  2. 2PHP 5.4〜8.5.11 が対象
  3. 3国内の多くのサービスが一時停止
  4. 4修正版に更新(8.1 以前は出ない)

誰に何が降りかかったか

PHP で動くサイトの運営者:サーバーの PHP を、修正版(8.5.12・8.4.27・8.3.36・8.2.35)にする必要があります。WordPress やプラグインの更新だけでは直りません。サービスの利用者:国内の多くのサービスが一時止まり、使えない時間がありました。

何が起きたか

ウェブサイトを動かすプログラムの言語 PHP に、ログインしていない第三者が外からサーバーでプログラムを動かせるおそれのある脆弱性が 2件見つかり、PHP の開発チームが 2026年10月21日(日本時間 23時ごろ)に修正版を出しました。脆弱性は CVE-2026-109618・CVE-2026-109619(深刻度は CVSS v4.0 で 9.2)で、PHP 5.4 から 8.5.11 までが対象です。修正版は 8.5.12・8.4.27・8.3.36・8.2.35 で、サポートの終わった 8.1 以前には、開発チームから修正版は出ません。公表の前に情報が外に出たため、IPA と国家サイバー統括室が事前の準備を呼びかけ、首相も、直せない場合はウェブサイトを一時止めることも有効だと呼びかけました。国内では、ネットショップ・保育施設向けのサービス・動画・ゲームなど多くのサービスが、修正の前後に一時止まりました。Cloudflare は早い段階の攻撃を確認したとして、知られた攻撃の手口を止める規則を入れました。

被害の発表ではなく、脆弱性とその対応の記録です。KnownFor のスキャンは外から見える表示だけを読むので、PHP のバージョン番号を隠しているサイトでは、修正版かどうかを確認できません(サーバーの事業者・制作会社に確認してください)。

日本・韓国企業・学校など情報漏えい

AI の侵入テストのツールが使われた不正アクセス(2026年10月)

  1. 1AI が自分で調べて試すツール
  2. 2日本の企業約20社を標的に
  3. 3うち 8社が情報漏えいを公表
  4. 4攻撃元の情報を法執行機関に共有

約20社

調べた攻撃元の 1台が標的にしていた日本の企業

誰に何が降りかかったか

標的になった企業:うち 8社が 9〜10月に情報漏えいを公表しました(社名は発表されていません)。調べた会社:攻撃元の情報を法執行機関に共有しました。

何が起きたか

GMO サイバーセキュリティ by イエラエは、相次ぐ不正アクセスの攻撃元のサーバーで、AI が自分で調べて試す侵入テストのツール「ARTEX」が使われていたと発表しました。調べた 1台は日本の企業約20社(うち 9社は同じ業種)を標的にしており、AI を使う同じような攻撃元がほかに 6台見つかりました。標的の中の 8社は、9〜10月に情報漏えいを公表しています(標的になった企業が、すべて入られたわけではありません)。韓国の金融機関への攻撃でも同じツールが使われたと CrowdStrike が報告しています。ツールは公開されていましたが、いまは公開が止められています。

入口の脆弱性は発表されていません。GMO は別の記事(10月15日)で、攻撃する側が AI を使い、サポートの終わった製品や、脆弱性の一覧(CVE)に載らないバージョンの脆弱性を探していると指摘しています。そのため、同じ種類の所見として示します。

KnownFor のスキャンで関係する所見

  • sec-eol サポートが終わったバージョンのソフトが見える止め方:更新を適用して、サポートのあるバージョンにします。
  • sec-version-exposed ソフトのバージョン番号が外から見える止め方:バージョン番号を外に出さない設定にします。
  • sec-old-library 古い JavaScript ライブラリ止め方:ライブラリを新しいバージョンに入れ替えます。

日本自治体・公的機関情報漏えい

自治体の防災メールの配信サービス(2026年10月)

  1. 1委託先の配信サービスに不正アクセス
  2. 2メールアドレス約313万件に漏えいの可能性
  3. 3登録者に不審なメール(横須賀市)
  4. 4自治体がサービスを止めて注意を呼びかけ

約313万件

漏えいの可能性があるメールアドレス(運営会社の推定)

誰に何が降りかかったか

防災メールなどに登録した住民と職員:メールアドレスなどに漏えいの可能性があり、横須賀市では登録者に不審なメールがすでに届いています。自治体:サービスを止め、公式サイト・SNS・防災行政無線などで情報を出し、個人情報保護委員会に報告しました(横須賀市)。

何が起きたか

全国の自治体が防災メールなどに使う一斉配信のサービス「SpeeCAN RAIDEN」が第三者の不正アクセスを受けたと、運営する株式会社アルカディアが発表しました。漏えいの可能性があるのは、推定でメールアドレス約313万6千件・電話番号約10万5千件・FAX番号約1万5千件です。横須賀市は、防災情報メールの 47,065人などのメールアドレスに漏えいのおそれがあり、登録者に不審なメールがすでに届いているとして、4つのサービスを止めました。同じ会社の 119番の通報のサービス(NET119)でも、利用者の氏名・生年月日・住所などに漏えいの可能性があると発表されています。

自治体のサイトそのものではなく、委託先のサービスの事件です。侵入の手口は発表されておらず、攻撃型 AI エージェント(ARTEX)との関係も発表されていません。

日本自治体・公的機関入力した内容が読まれる

大阪市(2026年)

40名分

ほかの申込者から見える状態になった個人情報

誰に何が降りかかったか

申し込んだ人:氏名や連絡先などをほかの申込者に見られる状態になりました。市:40名にメールと電話で説明して謝罪し、委託先に個人情報を扱う作業の二重の確認を作るよう指示しました。

何が起きたか

市が委託した事業のイベント申込フォームで、委託先が閲覧の設定をまちがえたため、申し込んだ人がほかの申込者の入力内容を見られる状態になりました。40名分の氏名・学年・電話番号・ファックス番号・メールアドレス・応募の動機が対象です。10月14日に申込者からの連絡で分かり、委託先が同じ日に設定を直しました。

原因は暗号化(https)ではありませんが、フォームに入力した内容がほかの人に見られた例です。

KnownFor のスキャンで関係する所見

  • sec-form-insecure 暗号化されていない(http の)送信先のフォーム止め方:フォームの送り先を https にします。

日本自治体・公的機関改ざん

長野県大町市(2026年)

誰に何が降りかかったか

市民や利用者:デジタルアーカイブのサービスが使えなくなりました。市:ぜい弱性への対応と再発防止、再開の時期を調べた結果をふまえて決めるとしました。サイトに個人情報は保存しておらず、利用者の端末の感染は確認されていないとしています。

何が起きたか

市のデジタルアーカイブサイト「デジまち」に、7月14日、システムのぜい弱性を使った不正アクセスがあり、一部のページがオンラインカジノのサイトへ誘導するページに書き換えられました。8月28日に外からの通報で分かりました。市はシステムをネットワークから切り離し、サービスを止めて詳しく調べています。

KnownFor のスキャンで関係する所見

  • sec-eol サポートが終わったバージョンのソフトが見える止め方:更新を適用して、サポートのあるバージョンにします。
  • sec-old-library 古い JavaScript ライブラリ止め方:ライブラリを新しいバージョンに入れ替えます。

日本自治体・公的機関開けなくなる

山梨大学(2026年)

誰に何が降りかかったか

サイトを使う人:同じサーバーの複数のサイトが見られなくなりました。大学:安全を確認したサイトから順に再開し、状況の一覧を公開しています。個人情報などは扱っておらず、漏えいは確認されていないとしています。

何が起きたか

大学が契約するレンタルサーバーで、1つのサイトが使っていた Joomla の拡張機能「JCE」のぜい弱性が6月上旬に使われ、サーバーを外から操る不正なプログラム(ウェブシェル)が置かれました。7月下旬までに同じサーバーのほかのサイトにも広がったとみられ、不正なアカウントや検索結果を汚すスパムが見つかりました。大学は同じサーバーの複数のサイトの公開を止めました。

KnownFor のスキャンで関係する所見

  • sec-old-library 古い JavaScript ライブラリ止め方:ライブラリを新しいバージョンに入れ替えます。
  • sec-eol サポートが終わったバージョンのソフトが見える止め方:更新を適用して、サポートのあるバージョンにします。
  • sec-version-exposed ソフトのバージョン番号が外から見える止め方:バージョン番号を外に出さない設定にします。

オーストラリア企業・学校など改ざん

オーストラリアの中小企業のサイト(2026年)

17件

使われた脆弱性(すべて直す更新あり)

誰に何が降りかかったか

企業:サイトに裏口のファイルを置かれました。ACSC:ウェブシェルがないかを調べ、取り除いてから更新を当て、すぐ当てられない部品は止めるよう呼びかけました。

何が起きたか

オーストラリアのサイバーセキュリティセンター(ACSC)は、サイトの管理のしくみ(CMS)とその追加機能の脆弱性を使う、世界規模の攻撃が続いていると注意を呼びかけました。多くの中小企業のサイトに、外から操るためのファイル(ウェブシェル)が置かれています。対象は WordPress の追加機能、Craft CMS、Joomla の JCE など 17件の脆弱性で、すべてに直す更新が出ており、何か月も前に出たものもあります。

個々の企業の名前は公表されていません。

KnownFor のスキャンで関係する所見

  • sec-old-library 古い JavaScript ライブラリ止め方:ライブラリを新しいバージョンに入れ替えます。
  • sec-eol サポートが終わったバージョンのソフトが見える止め方:更新を適用して、サポートのあるバージョンにします。
  • sec-version-exposed ソフトのバージョン番号が外から見える止め方:バージョン番号を外に出さない設定にします。

日本自治体・公的機関改ざん

和歌山大学(2026年)

誰に何が降りかかったか

訪れた人:大学と関係のない外部のサイトへ送られました。大学:そのページを閉じて謝罪し、サイト全体を見直して再発を防ぐとしました。

何が起きたか

大学のサイトにある「バーチャルツアー」で使っていたツールのぜい弱性(弱いところ)が使われ、一部のページから、大学と関係のない外部のサイトへ転送されるようになりました。6月12日に分かりました。大学は、個人情報や機密情報の漏えいはないと発表しています。

KnownFor のスキャンで関係する所見

  • sec-old-library 古い JavaScript ライブラリ止め方:ライブラリを新しいバージョンに入れ替えます。
  • sec-eol サポートが終わったバージョンのソフトが見える止め方:更新を適用して、サポートのあるバージョンにします。

日本自治体・公的機関改ざん

大分大学(2026年)

誰に何が降りかかったか

検索から来た人:大学の住所の下で、大学と関係のない内容を見せられました。大学:そのページを閉じて謝罪し、サイト全体を見直して再発を防ぐとしました。

何が起きたか

大学のサイトで公開していた「バーチャルキャンパスツアー」のソフトウェアのぜい弱性が使われ、不正な URL が作られて検索結果に出て、大学のドメインの下に大学と関係のない内容が表示されました。6月17日に分かりました。大学は、サーバーへの侵入やファイルの書き換え、個人情報や機密情報の漏えいはないと発表しています。

KnownFor のスキャンで関係する所見

  • sec-old-library 古い JavaScript ライブラリ止め方:ライブラリを新しいバージョンに入れ替えます。
  • sec-eol サポートが終わったバージョンのソフトが見える止め方:更新を適用して、サポートのあるバージョンにします。

日本自治体・公的機関名前をかたる偽メール

総務省の注意の呼びかけ(2026年5月)

  1. 1税の部署を名乗る偽メール
  2. 2住民にコード決済での納付を促す
  3. 3DMARC で止める設定は 1.9%
  4. 4総務省が注意を呼びかけ

1.9%

なりすましメール対策の設定(DMARC の隔離・拒否)まで済んだ .lg.jp の団体(862団体中16)

誰に何が降りかかったか

住民:市区町村の税の部署を名乗る偽メールを受け取り、本物かどうかを自分で見分けることになりました。市区町村:名前をかたられる側です。

何が起きたか

市区町村の税の部署(「市役所市民税課」など)をかたり、コード決済で住民税の納付を促す偽メールに、総務省が注意を呼びかけました。全国の .lg.jp の 862団体(都道府県と市区)で、なりすましメール対策の設定(DMARC の隔離・拒否)までしているのは 16団体・1.9% です(2026年3月発表の調べ)。

KnownFor のスキャンで関係する所見

  • sec-no-dmarc なりすましメール対策の設定(DMARC)がない止め方:DNS に DMARC を足します(まず監視のみの設定から)。
  • sec-dmarc-none 偽メール対策(DMARC)が監視のみの設定止め方:DMARC を監視のみから、隔離(quarantine)へ進めます。
  • sec-no-spf メールの送信元を確認する設定(SPF)がない止め方:DNS に SPF を足します。
  • sec-spf-all 送信元の設定(SPF)に制限がない止め方:SPF の最後を「-all」か「~all」にします。

英国企業・学校など窓口にたどり着けない

Virgin Media O2(英国・2026年)

13%

検索や AI で偽の窓口の番号を示されたことがある英国の人

誰に何が降りかかったか

お客様:偽の番号にかけて詐欺にあった例がありました。会社:調べた結果を公表し、公式の番号だけを使うよう呼びかけました。

何が起きたか

英国の通信会社 Virgin Media O2 が、検索や AI ツールで偽の窓口の電話番号が示されることに注意を呼びかけました。同社の調べでは、英国の人の 13%(約8人に1人)が検索や AI ツールで偽の窓口の番号を示されたことがあり、10% は AI ツールが出した番号を頼りにしています。同社は、こうした番号にかけて詐欺にあったお客様の例に対応してきたとしています。番号は会社の公式サイト・アプリ・請求書に載っているものだけを使うよう勧めています。

KnownFor のスキャンで関係する所見

  • ai-phone-mismatch AI の答えの電話番号がサイトとちがう

日本自治体・公的機関公式でないサイトへ案内窓口にたどり着けない

名古屋市(2026年3月更新のお知らせ)

  1. 1閉じたサイトのドメイン
  2. 25件を第三者が取得
  3. 3危険なサイトへ誘導されるおそれ
  4. 4市が一覧を公表し、リンクの削除を依頼

5件

第三者に取られた、閉じた市のサイトのドメイン

誰に何が降りかかったか

住民:市のものだった住所を開くと、市とは関係のないサイトに行き、危険なサイトへ誘導されるおそれがあります。市:一覧を公表し、リンクを残している先に外すよう依頼。

何が起きたか

閉じた市のサイトのドメインのうち 5件が第三者に取られたとして、一覧を公表しました。「市とは無関係」「危険なサイトへ誘導されるおそれ」「興味本位で開かない」と呼びかけ、リンクを残している先に外すよう求めています。

KnownFor のスキャンで関係する所見

  • ai-gov-unofficial-url AI が公式ではないアドレスを案内
  • ai-gov-dead-link AI が案内する公式のページが開かない

米国企業・学校など名前をかたる偽メール

Microsoft の脅威情報チーム(米国・2026年)

誰に何が降りかかったか

組織の社員:自分の会社から来たように見える偽のメール(留守番電話・共有文書・人事・パスワードの期限など)が届きました。Microsoft:なりすまし対策と外部との接続の設定を正しくするよう勧めました。

何が起きたか

Microsoft は、組織自身のドメインから社内で送られたように見えるフィッシングメールが、2025年5月から多く見られるようになったと報告しました。メールの経路が複雑で、なりすましを防ぐ設定が正しくない組織のドメインが使われ、さまざまな業種の組織に届きました。組織あての金銭の詐欺にも使われました。Microsoft は、DMARC を拒否(reject)、SPF を厳しい失敗(hard fail)にすると防ぎやすくなるとし、ゆるい設定ではなりすましを防げないと説明しています。

KnownFor のスキャンで関係する所見

  • sec-dmarc-none 偽メール対策(DMARC)が監視のみの設定止め方:DMARC を監視のみから、隔離(quarantine)へ進めます。
  • sec-spf-all 送信元の設定(SPF)に制限がない止め方:SPF の最後を「-all」か「~all」にします。
  • sec-no-dmarc なりすましメール対策の設定(DMARC)がない止め方:DNS に DMARC を足します(まず監視のみの設定から)。
  • sec-no-spf メールの送信元を確認する設定(SPF)がない止め方:DNS に SPF を足します。

日本自治体・公的機関改ざん

京都大学文学研究科図書館(2025年)

約100件

不正なスクリプトが埋め込まれた記事

誰に何が降りかかったか

訪れた人:怪しいポップアップや転送が起きたおそれがあり、端末のウイルス検査をお願いされました。大学:サイトを閉じ、仮のサイトではサイト内検索と学位論文の検索が使えなくなりました。個人情報の漏えいはないとしています。

何が起きたか

図書館のサイトのぜい弱性が使われ、2016年3月〜2025年2月に載せた約100件の記事に不正なスクリプトが埋め込まれました。2025年2月6日〜11月13日に訪れた人に、怪しい広告や外部サイトへの転送が起きたおそれがあります。大学はサイトを閉じて簡単な仮のサイトに切り替え、CMS の本体・テーマ・プラグインをきれいなものに入れ替えて作り直すとしました。

KnownFor のスキャンで関係する所見

  • sec-old-library 古い JavaScript ライブラリ止め方:ライブラリを新しいバージョンに入れ替えます。
  • sec-eol サポートが終わったバージョンのソフトが見える止め方:更新を適用して、サポートのあるバージョンにします。

日本自治体・公的機関改ざん

東京外国語大学(2025年)

誰に何が降りかかったか

期間中に訪れた人:オンラインカジノのサイトへ送られるおそれがあり、セキュリティソフトの更新とウイルス検査をお願いされました。大学:サーバーを止め、見張りと設定の管理を強めるとしました。学生・教職員の個人情報は置いていなかったとしています。

何が起きたか

アジア・アフリカ言語文化研究所の研究成果を公開するサーバーで、サイトを更新するしくみ(CMS)のぜい弱性を使った不正アクセスがあり、一部のページがオンラインカジノのサイトへ転送されるよう書き換えられました。影響のおそれがある期間は2025年6月5日〜8月8日です。大学はサーバーを止め、ぜい弱性を直して書き換えられたファイルを消してから再開するとしました。

KnownFor のスキャンで関係する所見

  • sec-eol サポートが終わったバージョンのソフトが見える止め方:更新を適用して、サポートのあるバージョンにします。
  • sec-old-library 古い JavaScript ライブラリ止め方:ライブラリを新しいバージョンに入れ替えます。
  • sec-version-exposed ソフトのバージョン番号が外から見える止め方:バージョン番号を外に出さない設定にします。

日本企業・学校など入力した内容が読まれる

駿河屋(日本・2025年)

30,431件

漏れたおそれがあるカード

誰に何が降りかかったか

お客様:カードの情報と連絡先が漏れたおそれがあります。会社:個人情報保護委員会と警察に連絡し、外部の専門家に調べてもらいました。カードの再発行の手数料をお客様の負担にしないよう、カード会社に頼みました。

何が起きたか

監視ツールの脆弱性を使った不正アクセスで、決済ページ用の JavaScript が書き換えられました。2025年7月23日から8月8日までの、カード 30,431件(お客様 29,932名)の情報が漏れたおそれがあります。カード番号・有効期限・セキュリティコードのほか、氏名・住所・電話番号・メールアドレスも含まれます。8月8日にカード決済を止めました。

出典では、原因は決済ページ用の JavaScript の書き換えです。出典は CSP には触れていません。

KnownFor のスキャンで関係する所見

  • sec-headers セキュリティヘッダーが不足している止め方:セキュリティヘッダーを足します。

米国・インド企業・学校など窓口にたどり着けない

Google の AI による概要(米国・インド、2025年)

誰に何が降りかかったか

電話をかけた人:会社の窓口だと思って詐欺の相手と話し、カードの情報を伝えた例がありました。Google:問題を把握しているとし、見つかった番号に対応したと報じられました。

何が起きたか

Google の検索に出る AI による概要(AI Overviews)が示した電話番号にかけると、会社ではなく詐欺の相手につながったという報告が続きました。米国では Royal Caribbean の窓口の番号を探した人がその番号にかけ、クレジットカードの情報を伝えてしまいました。インドでは Swiggy Instamart の窓口の番号を探した人に番号が示されましたが、この会社には電話の窓口がなく、チャットだけでした。Google は問題を把握していて、見つかったいくつかの番号に対応したと報じられました。

KnownFor のスキャンで関係する所見

  • ai-phone-mismatch AI の答えの電話番号がサイトとちがう

世界企業・学校など偽のサイトへ案内

Netcraft の調べ(2025年)

34%

AI が示したログイン先のうち、ブランドのものではなかった割合

誰に何が降りかかったか

利用する人:AI に聞いたログイン先が、偽のページや持ち主のちがう住所でした。調べた会社:結果と例を公表しました。

何が起きたか

セキュリティ会社 Netcraft が、金融・小売・IT・公共料金の 50 のブランドについて、AI(GPT-4.1 系のモデル)に「ログインするサイトの住所」をふつうの言葉で尋ねました。示された 97 のドメインのうち、ブランドのものは 66% で、29% は登録されていない・使われていない住所、5% は関係のない別の会社のもので、合わせて 34% がブランドのものではありませんでした。別の例では、AI 検索の Perplexity が Wells Fargo のログイン先として、本物に似せた偽のページを本物より上に示しました。

KnownFor のスキャンで関係する所見

  • ai-gov-unofficial-url AI が公式ではないアドレスを案内
  • ai-namesake 同じ名前の別のサイトが根拠に

オーストラリア自治体・公的機関名前をかたる偽メール

オーストラリア税務署 ATO(オーストラリア・2025年)

300%超

ATO をかたるメール詐欺の報告の増え方(前年同期比)

誰に何が降りかかったか

事業者と市民:ATO を名乗る偽のメッセージが届き、個人情報を渡すよう仕向けられました。ATO:見分け方(止まる・確認する・守る)と、確認するための窓口を案内しました。

何が起きたか

オーストラリア税務署(ATO)は、ATO をかたるメール詐欺の報告が、前の年の同じ時期より 300% を超えて増えたと伝えました。税の申告の時期は、連絡が来ると思っている人が多いため、詐欺の報告が増えるとしています。ATO は、個人情報を返させたりオンラインサービスにログインさせたりするリンク付きのメッセージを、頼まれずに送ることはないと呼びかけました。

出典は、偽メールの送り主の設定(DMARC など)には触れていません。名前をかたる偽メールの例として引いています。

KnownFor のスキャンで関係する所見

  • sec-no-dmarc なりすましメール対策の設定(DMARC)がない止め方:DNS に DMARC を足します(まず監視のみの設定から)。
  • sec-dmarc-none 偽メール対策(DMARC)が監視のみの設定止め方:DMARC を監視のみから、隔離(quarantine)へ進めます。

韓国自治体・公的機関名前をかたる偽メール

韓国国税庁(韓国・2025年)

誰に何が降りかかったか

納税者:国税庁の住所を名乗るハッキングメールが届きました。国税庁:送った記録をホームタックスで確認できるサービスを始めました。

何が起きたか

韓国の国税庁は、国税庁の住所(ドメイン @nts.go.kr)まで使ったハッキングメールが送られるなど、本物かどうかの見分けが難しくなっていると説明しました。そのため 2025年6月27日から、届いたメールや文字メッセージが本当に国税庁から送られたものかを、税のサイト「ホームタックス」で確認できるサービスを始めました。

出典は、DMARC などの設定には触れていません。組織の住所(ドメイン)を名乗る偽メールの例として引いています。

KnownFor のスキャンで関係する所見

  • sec-no-dmarc なりすましメール対策の設定(DMARC)がない止め方:DNS に DMARC を足します(まず監視のみの設定から)。
  • sec-dmarc-none 偽メール対策(DMARC)が監視のみの設定止め方:DMARC を監視のみから、隔離(quarantine)へ進めます。

オランダ自治体・公的機関窓口にたどり着けない

ダントゥマディール市(オランダ・2025年)

36通

1週間あまりで .nl の住所に届いた市あてのメール

誰に何が降りかかったか

市民:市に送ったつもりのメールが、市ではない借り手に届きました。市:.nl の住所を買い取り、公式サイトへ転送するようにしました。

何が起きたか

オランダのダントゥマディール市は 2017年から dantumadiel.frl を使っていましたが、よく似た dantumadiel.nl は登録していませんでした。地元の放送局 Omrop Fryslân がこの .nl の住所を借りると、1週間あまりで市あてのメール 36通が届き、市民番号(BSN)や不服の申し立て、子どもの支援などの情報が含まれていました。市自身もこの住所へメールを送り、2024年7月から2025年3月の市の広報 8号に載せていました。そのあと市は .nl の住所を買い取り、公式サイトへ転送するようにしました。

KnownFor のスキャンで関係する所見

  • ai-namesake 同じ名前の別のサイトが根拠に
  • ai-gov-unofficial-url AI が公式ではないアドレスを案内

日本自治体・公的機関改ざん開けなくなる足がかり

滋賀県立図書館(2025年)

  1. 1管理のソフトに総当たりの跡・更新の漏れ
  2. 2ホームページを3回書き換え
  3. 3全ページを閉鎖約36日
  4. 4蔵書の検索・予約は電話で

約36日

ホームページを閉じた期間

誰に何が降りかかったか

図書館の利用者:約36日、ホームページが閉じ、蔵書の検索・予約はウェブで使えず電話で受け付けになりました。県:閉鎖と調査・謝罪。

何が起きたか

ホームページが 3回書き換えられ、全ページを閉じました。再開まで約36日、蔵書の検索・予約は電話で受けました。県の発表では、管理のソフトに ID・パスワードを次々試した(総当たりの)跡と、一部のソフトに最新の更新プログラムが当てられていないことが確認できました。県が長い間の不便を謝罪しました。

KnownFor のスキャンで関係する所見

  • sec-eol サポートが終わったバージョンのソフトが見える止め方:更新を適用して、サポートのあるバージョンにします。
  • sec-old-library 古い JavaScript ライブラリ止め方:ライブラリを新しいバージョンに入れ替えます。
  • sec-version-exposed ソフトのバージョン番号が外から見える止め方:バージョン番号を外に出さない設定にします。

韓国企業・学校など情報漏えい

順天郷大学・慶星大学(韓国・2024年の処分)

約6年

更新が当てられていなかった期間

誰に何が降りかかったか

学生など:個人情報が SNS に流されました。大学:韓国の個人情報保護委員会から、順天郷大学は 1億9,300万ウォンの課徴金と是正命令(2017年の更新を当てるなど)、慶星大学は 4,280万ウォンの課徴金を受けました。

何が起きたか

順天郷大学の代表のホームページで、サーバーのソフト(WebLogic)の脆弱性を使われ、悪意のあるファイルを置かれました。学生などの氏名・学科・学籍番号・住所・連絡先など 2,000件余りが取られ、SNS に流されました。Oracle が 2017年10月に出した更新プログラムは、約6年のあいだ当てられていませんでした。慶星大学のポータルも同じやり方で攻撃されました。

KnownFor のスキャンで関係する所見

  • sec-version-exposed ソフトのバージョン番号が外から見える止め方:バージョン番号を外に出さない設定にします。
  • sec-eol サポートが終わったバージョンのソフトが見える止め方:更新を適用して、サポートのあるバージョンにします。

韓国企業・学校など情報漏えい

NHNコマースの古いネット通販のしくみ(韓国・2024年)

17社

古いしくみのまま漏れたサイト

誰に何が降りかかったか

注文した人:氏名などの注文情報が漏れました。会社:72時間以内に委員会へ届けましたが、使っていた店へ知らせるのが遅れ、処分の内容を自社のサイトに載せるよう命じられました。

何が起きたか

10年以上前の古いネット通販のしくみ「e나무」のカートのページが攻撃され、それを使っていた 17社のサイトから注文者の個人情報 122件が漏れました。ほとんどの店は新しいしくみへ移っていましたが、少しの小さな店が古いしくみを使い続けていました。韓国の個人情報保護委員会は、古いしくみの技術支援をおろそかにしたとして NHNコマースに 870万ウォンの課徴金などを科しました。

KnownFor のスキャンで関係する所見

  • sec-eol サポートが終わったバージョンのソフトが見える止め方:更新を適用して、サポートのあるバージョンにします。
  • sec-old-library 古い JavaScript ライブラリ止め方:ライブラリを新しいバージョンに入れ替えます。
  • sec-version-exposed ソフトのバージョン番号が外から見える止め方:バージョン番号を外に出さない設定にします。

英国企業・学校など警告が出る

Elexon(英国・2024年)

半日ほど

サービスが止まっていた時間(報道による)

誰に何が降りかかったか

データを使う人:警告が出て、API での受け取りが止まるおそれがありました。Elexon:証明書を更新しました。

何が起きたか

英国の電力の需給と精算のデータを出す Elexon の Insights Solution(data.elexon.co.uk)で、TLS 証明書が2024年7月8日の期限で切れ、ブラウザに証明書の警告が出ました。データを自動で受け取る仕組み(API)も止まるおそれがありました。証明書は7月9日の昼ごろに更新され、止まっていたのは半日ほどでした(The Register による)。

KnownFor のスキャンで関係する所見

  • sec-cert-expiring 証明書の期限が近い(または切れている)止め方:証明書を更新し、自動で更新される設定にします。

韓国自治体・公的機関偽のサイトへ案内

韓国行政安全部(2024年)

356か所

公式の案内に載っていて開けなかったサイト(5,826 のうち)

誰に何が降りかかったか

公式の案内を使った人:開かないページや、関係のない賭博のサイトなどへ案内されました。行政安全部:報道のあと、案内の住所を消したり変えたりしました。

何が起きたか

韓国の行政安全部が運営する「政府機関の公式サイトの案内」には 5,826 のサイトが載っていましたが、報道機関の調べで 356 か所は開けず、5 か所は住所の書きまちがい、2 か所はほかの人の手に渡った古い住所でした。2 か所は、機関が住所を go.kr に移したあと空いた or.kr の住所で、成人向けの販売サイトと不法賭博のサイトにつながっていました。報道のあと、行政安全部は案内の住所を消したり、リンク先を変えたりしました。

KnownFor のスキャンで関係する所見

  • ai-gov-unofficial-url AI が公式ではないアドレスを案内
  • ai-gov-dead-link AI が案内する公式のページが開かない

米国企業・学校など名前をかたる偽メール

米国 FBI・国務省・NSA の注意喚起(米国・2024年)

誰に何が降りかかったか

メールを受け取った人:実在の記者や研究者を名乗るメールが届きました。3機関:見分けるための目印と、名前を使われうる組織向けの対策(DMARC の設定)を公表しました。

何が起きたか

米国の FBI・国務省・NSA が共同で、北朝鮮の Kimsuky と呼ばれるグループが、DMARC の設定が不十分な点を使ってなりすましメールを送っていると注意を呼びかけました。メールは、実在の記者・研究者・東アジアの専門家を名乗っていました。DMARC が正しく設定されていないと、本物の住所(ドメイン)から来たように見えるメールを送れてしまう、と説明しています。対策として、DMARC を隔離(p=quarantine)か拒否(p=reject)にするよう勧めました。

KnownFor のスキャンで関係する所見

  • sec-no-dmarc なりすましメール対策の設定(DMARC)がない止め方:DNS に DMARC を足します(まず監視のみの設定から)。
  • sec-dmarc-none 偽メール対策(DMARC)が監視のみの設定止め方:DMARC を監視のみから、隔離(quarantine)へ進めます。

ベルギー自治体・公的機関窓口にたどり着けない

ペルト市(ベルギー・2024年)

107件

研究者が買い取った、公的な機関の期限切れの住所

誰に何が降りかかったか

旧町の住所を使う人:メールやサイトが、市と関係のない人のところへ届く状態になりました。市:連絡は gemeentepelt.be だけで行うとし、住民に知らせる取り組みを始めました。

何が起きたか

ベルギーで 2019年に 2つの町が合併してペルト市になったあと、旧町の住所 overpelt.be の更新がされず、知らない人の手に渡りました。いまはその人が「@overpelt.be」のメールアドレスも扱える状態で、サイトはさまざまな話題のブログのようになっています。市は 2022年に気づいて買い戻そうとしましたが、できませんでした。同じころ、あるセキュリティの研究者が、福祉の機関や警察区などが使っていた期限切れの住所 107件を買い取り、注意を呼びかけました。

KnownFor のスキャンで関係する所見

  • ai-gov-unofficial-url AI が公式ではないアドレスを案内

英国自治体・公的機関名前をかたる偽メール

英国歳入関税庁 HMRC(英国・2024年)

207,800件

1年間の怪しい連絡の通報

誰に何が降りかかったか

市民:税の還付をうたう偽の連絡が届きました。HMRC:通報に対応し、悪意あるウェブページ 26,443件を削除のためプロバイダに伝えました。

何が起きたか

英国の税の役所 HMRC は、1月までの1年間に、怪しい連絡についての市民からの通報 207,800件に対応したと発表しました(前の1年は 181,873件)。うち 79,000件を超えるものが、うその税の還付をうたうものでした。詐欺はメール・電話・ショートメッセージで、役所の連絡に似せて本物らしく見せます。HMRC は、還付があることをメールや電話などで知らせることはないと呼びかけました。

出典は、偽メールの送り主の設定(DMARC など)には触れていません。名前をかたる偽メールの例として引いています。

KnownFor のスキャンで関係する所見

  • sec-no-dmarc なりすましメール対策の設定(DMARC)がない止め方:DNS に DMARC を足します(まず監視のみの設定から)。
  • sec-dmarc-none 偽メール対策(DMARC)が監視のみの設定止め方:DMARC を監視のみから、隔離(quarantine)へ進めます。

カナダ企業・学校など窓口にたどり着けない

Air Canada(カナダ・2024年)

誰に何が降りかかったか

利用した人:チャットボットの答えを信じて正規の運賃で航空券を買いました。航空会社:審判所から支払いを命じられ、チャットボットを直すとしました。

何が起きたか

Air Canada のサイトのチャットボットが、忌引の割引運賃はチケットの発行から 90日以内に申し込めばよいと答え、利用者は正規の運賃で航空券を買いました。実際には、旅行を終えたあとの割引は認められておらず、そのことはサイトの別のページに書かれていました。航空会社は、チャットボットの答えには責任を負えないと主張しましたが、ブリティッシュコロンビア州の民事解決審判所は、チャットボットもサイトの一部であり、答えの正確さに十分な注意を払っていなかったとして、航空会社に支払いを命じました。

電話番号や住所ではなく、AI の答えが公式のページとちがっていた例です。

オランダ自治体・公的機関名前をかたる偽メール

オランダ政府の標準化フォーラムの調べ(オランダ・2023年)

81%

政府のドメインで DMARC の方針があった割合(2023年半ば)

誰に何が降りかかったか

役所:19% のドメインでは、役所の名前を使ったフィッシングメールを防ぐ厳しい DMARC の方針がまだ動いていませんでした。フォーラム:役所の種類ごとの割合を測って公表しました。

何が起きたか

オランダ政府の標準化フォーラム(Forum Standaardisatie)の調べでは、国の機関や市などの 2,661 のドメインのうち、DMARC の方針(policy)が確認できたのは 2023年半ばで 81% でした。資料は、DMARC・DKIM・SPF を組み合わせるとメールのなりすましを防ぎ、役所の名前を使ったフィッシングを難しくすると説明しています。そのうえで、残る 19% のドメインで、役所の名前を使ったフィッシングメールを防ぐための厳しい DMARC の方針がまだ要るとしています。市(363 のドメイン)では 90% でした。

KnownFor のスキャンで関係する所見

  • sec-dmarc-none 偽メール対策(DMARC)が監視のみの設定止め方:DMARC を監視のみから、隔離(quarantine)へ進めます。
  • sec-no-dmarc なりすましメール対策の設定(DMARC)がない止め方:DNS に DMARC を足します(まず監視のみの設定から)。
  • sec-no-spf メールの送信元を確認する設定(SPF)がない止め方:DNS に SPF を足します。

日本自治体・公的機関公式でないサイトへ案内

岡山県(2023年)

  1. 1使わなくなった県のサイトの URL
  2. 25件をオークションなどで第三者が取得
  3. 3県とは関係のないサイトへ
  4. 4県が注意を呼びかけ、リンクの削除を依頼

5件

第三者に取られた、使わなくなった県のサイトのドメイン

誰に何が降りかかったか

古い住所から県のサイトを開こうとした人:県とは関係のないサイトに行きます。県:注意の呼びかけと、リンクを残している先への削除の依頼。

何が起きたか

使わなくなった県のサイトのドメイン5件が、オークションなどで第三者に取られました。県は「県とは無関係」と注意を呼びかけ、リンクを残している先に削除を頼みました。

KnownFor のスキャンで関係する所見

  • ai-gov-unofficial-url AI が公式ではないアドレスを案内

日本自治体・公的機関入力した内容が読まれる

目黒区(2023年)

  1. 1電子申請のサービスの不具合
  2. 2申請5件が別の自治体へ
  3. 351名分の個人情報
  4. 4区が謝罪し、削除を依頼

51名分

別の自治体に届いた申請の個人情報

誰に何が降りかかったか

申請した区民と事業者(51名分の個人情報):申請の内容が、別の自治体に届きました。区:謝罪と削除の依頼。

何が起きたか

電子申請のサービスの不具合で、区民の助成の申請 2件と事業者の補助の申請 3件(51名分の個人情報)が、同じサービスを使う別の自治体に届きました。区が謝罪し、削除を頼みました(区は、自治体の間の閉じた網の中のことで外への流出はないとしています)。

原因は暗号化ではありませんが、申請の内容が他人の手に渡る被害の例です。

KnownFor のスキャンで関係する所見

  • sec-form-insecure 暗号化されていない(http の)送信先のフォーム止め方:フォームの送り先を https にします。
  • sec-no-https http から https への転送がない止め方:http から https への転送を入れます。

米国自治体・公的機関改ざん

米国の連邦政府の機関(2023年)

2台

入られた外向きのウェブサーバー

誰に何が降りかかったか

機関:ウェブサーバーに入られ、ファイルを置かれました。機関:1台目は通知から 24時間以内にネットワークから外しました。CISA が注意を呼びかけました(2023年12月5日)。

何が起きたか

2023年6〜7月、米国の連邦政府の機関で、外から見える 2台のウェブサーバーに不正に入られました。どちらも古いバージョンの Adobe ColdFusion(2016 と 2021 の初期の版)で動いていました。CISA は「どちらのサーバーも古いバージョンのソフトで動いていた」としています。

機関の名前は公表されていません。CISA は、データが持ち出された証拠は確認できていないとしています。

KnownFor のスキャンで関係する所見

  • sec-eol サポートが終わったバージョンのソフトが見える止め方:更新を適用して、サポートのあるバージョンにします。
  • sec-version-exposed ソフトのバージョン番号が外から見える止め方:バージョン番号を外に出さない設定にします。

米国自治体・公的機関偽のサイトへ案内

メリーランド州自動車局(米国・2023年)

約80万枚

住所が印刷されたナンバープレート

誰に何が降りかかったか

プレートの住所を開いた人:カジノを宣伝するサイトへ送られました。自動車局:住所を取り戻し、自局のホームページへ転送するようにしました。

何が起きたか

米国メリーランド州で約80万枚のナンバープレートに印刷された記念のサイトの住所(starspangled200.org)が、数か月の間、フィリピンのオンラインカジノを宣伝するサイトへ転送されていました。この住所はもともと州の記念行事の委員会のもので、2016年から持ち主が何度か変わっていました。州の自動車局(MVA)は州の IT 部門と組んでドメインの仲介業者に依頼し、住所を取り戻して自局のホームページへ転送するようにしました。

KnownFor のスキャンで関係する所見

  • ai-gov-unofficial-url AI が公式ではないアドレスを案内

日本企業・学校など改ざん開けなくなる足がかり

新潟医療福祉大学(2023年)

  1. 1CMS の脆弱性を使われる
  2. 2ページを書き換え
  3. 3訪れた人を悪意あるサイトへ自動で転送
  4. 4サイトを止めて調査

誰に何が降りかかったか

サイトを訪れた人:別の悪意あるサイトへ自動で送られる状態になりました。大学:サイトを止めて調査。

何が起きたか

サイトの管理のしくみ(CMS)の脆弱性を使われて書き換えられ、訪れた人が別の悪意あるサイトへ自動で送られる状態になりました。サイトを止めて調べました。

KnownFor のスキャンで関係する所見

  • sec-eol サポートが終わったバージョンのソフトが見える止め方:更新を適用して、サポートのあるバージョンにします。
  • sec-old-library 古い JavaScript ライブラリ止め方:ライブラリを新しいバージョンに入れ替えます。
  • sec-version-exposed ソフトのバージョン番号が外から見える止め方:バージョン番号を外に出さない設定にします。

日本企業・学校など名前をかたる偽メール

総務省・警察庁・経済産業省の要請(日本・2023年)

誰に何が降りかかったか

カードの利用者:カード会社を名乗るメールで偽サイトに誘われ、カード番号などをだまし取られる被害が増えていました。3省庁:カード会社などに DMARC の導入と拒否の方針での運用を求めました。

何が起きたか

クレジットカード会社などを名乗るメールで偽サイトに誘い、カード番号などをだまし取るフィッシングが多く起きているとして、総務省・警察庁・経済産業省がカード会社などに対策の強化を求めました。フィッシングメールはドメイン名をなりすまして送られることが多いとして、メールを送らないものを含む全てのドメインに DMARC を入れ、なりすましメールを受け取らせない方針(拒否)で使うよう求めています。

KnownFor のスキャンで関係する所見

  • sec-no-dmarc なりすましメール対策の設定(DMARC)がない止め方:DNS に DMARC を足します(まず監視のみの設定から)。
  • sec-dmarc-none 偽メール対策(DMARC)が監視のみの設定止め方:DMARC を監視のみから、隔離(quarantine)へ進めます。

米国自治体・公的機関改ざん

米国の連邦政府の機関(2022〜2023年)

2013年

使われていた部品のバージョンの年

誰に何が降りかかったか

機関:ウェブサーバーに不正なファイルを置かれ、動かされました。CISA など:調べた内容と、部品を新しくするなどの対策を公表しました。

何が起きたか

米国の連邦政府の機関のウェブサーバーで、2013年のバージョンのまま使われていた部品(Telerik UI for ASP.NET AJAX)の脆弱性を使われました。2022年11月から2023年1月はじめにかけて、複数のサイバー攻撃者がサーバーにファイルを置いて動かしました。部品の作り手によれば、2020年はじめより前のバージョンはこの脆弱性を持ちます。

機関の名前は公表されていません。2023年4月には別の機関でも同じ部品の古い版の脆弱性が使われました。

KnownFor のスキャンで関係する所見

  • sec-old-library 古い JavaScript ライブラリ止め方:ライブラリを新しいバージョンに入れ替えます。
  • sec-version-exposed ソフトのバージョン番号が外から見える止め方:バージョン番号を外に出さない設定にします。

欧州企業・学校など名前をかたる偽メール

Amazon(欧州・2022年)

50%超

報告された詐欺のうち偽の注文確認の割合

誰に何が降りかかったか

お客様:Amazon を名乗る偽の注文確認などが届きました。Amazon:フィッシングサイトの削除を進め、本物のメールにロゴが出るしくみを入れました。

何が起きたか

Amazon は、お客様から報告された Amazon をかたる詐欺のうち、50% を超えるものが偽の注文確認だったと発表しました。その年、20,000 を超えるフィッシングサイトと 10,000 の電話番号の削除を始めています。また同じ年に 20 を超える国でメールの確認の技術を入れ、Gmail や Yahoo! などでは、Amazon のロゴのアイコンで本当に Amazon からのメールだと分かるようにしました。

出典は DMARC の名前は出していません。送り主を確認するしくみを入れた企業の例として引いています。

KnownFor のスキャンで関係する所見

  • sec-dmarc-none 偽メール対策(DMARC)が監視のみの設定止め方:DMARC を監視のみから、隔離(quarantine)へ進めます。
  • sec-no-dmarc なりすましメール対策の設定(DMARC)がない止め方:DNS に DMARC を足します(まず監視のみの設定から)。

日本企業・学校など開けなくなる

行政システム株式会社(日本・2022年)

誰に何が降りかかったか

サイトを訪れた人:エラーが出て、ホームページを見られませんでした。会社:お詫びを出し、管理の体制を強めるとしました。

何が起きたか

2022年6月1日の深夜0時から6月2日の12時4分まで、会社のホームページ(www.gyosei-system.co.jp)を開くとエラーが表示されました。原因は SSL 証明書の有効期限切れでした。会社はお詫びを出し、管理の体制を強めるとしました。

KnownFor のスキャンで関係する所見

  • sec-cert-expiring 証明書の期限が近い(または切れている)止め方:証明書を更新し、自動で更新される設定にします。

ウクライナ自治体・公的機関改ざん

ウクライナ政府のサイト(2022年)

約15

書き換えられた政府のサイト

誰に何が降りかかったか

国民:いくつかのサイトがしばらく開けなくなり、外務省は SNS で発信しました。政府:サイトを止めて元に戻し、個人情報の流出はないと発表しました。

何が起きたか

2022年1月14日、外務省や内閣のポータルなど、約15の政府のサイトが書き換えられ、止められました。ウクライナの CERT は、サイトの管理に使う October CMS の脆弱性が使われた可能性が高いとしました。この脆弱性を直す更新は 2021年8月に出ていました。

KnownFor のスキャンで関係する所見

  • sec-old-library 古い JavaScript ライブラリ止め方:ライブラリを新しいバージョンに入れ替えます。
  • sec-version-exposed ソフトのバージョン番号が外から見える止め方:バージョン番号を外に出さない設定にします。
  • sec-eol サポートが終わったバージョンのソフトが見える止め方:更新を適用して、サポートのあるバージョンにします。

シンガポール企業・学校など情報漏えい

Fortytwo(家具のネット通販・シンガポール・2021年)

6,241人

ログイン情報が取られた人

誰に何が降りかかったか

お客様:ログイン情報とカード情報が取られました。会社:影響を受けた人に知らせ、セキュリティを強め、Magento 2 への切り替えを進めました。

何が起きたか

ネット通販のサイトに不正なコードを入れられ、ログインした 6,241人のメールアドレスとパスワード、ほかに 98人のカード番号・有効期限・セキュリティコードが取られました。サイトは Magento 1.9 で動いており、Adobe が出した 4つの更新プログラムが当てられていませんでした。Magento 1 のサポートは 2020年6月30日に終わっていました。シンガポールの個人情報保護委員会(PDPC)は 8,000シンガポールドルの制裁金を科し、6か月以内にサポートのあるバージョンへ上げるよう命じました。

KnownFor のスキャンで関係する所見

  • sec-eol サポートが終わったバージョンのソフトが見える止め方:更新を適用して、サポートのあるバージョンにします。
  • sec-version-exposed ソフトのバージョン番号が外から見える止め方:バージョン番号を外に出さない設定にします。
  • sec-old-library 古い JavaScript ライブラリ止め方:ライブラリを新しいバージョンに入れ替えます。

英国自治体・公的機関情報漏えい

英国の選挙管理委員会(2021〜2022年)

約4,000万人

氏名と住所に触れられた人

誰に何が降りかかったか

有権者:約4,000万人の氏名と住所に触れられる状態でした(ICO は、直接の被害の証拠は見つかっていないとしています)。委員会:ICO から戒告を受け、しくみの刷新、パスワードの決まり、全員の多要素認証を進めました。

何が起きたか

2021年8月、選挙管理委員会のメールのサーバー(Microsoft Exchange)に入られ、2022年10月まで、選挙人名簿にある約4,000万人の氏名と住所に触れられる状態でした。英国の個人情報の監督機関(ICO)によれば、使われた脆弱性を直す更新は 2021年4月と5月に出ていましたが、当てられていませんでした。パスワードの決まりも足りていませんでした。

入口は公開のサイトではなく、外から使えるメールのサーバーです。外から見えるソフトの更新が遅れた例として示します。

KnownFor のスキャンで関係する所見

  • sec-version-exposed ソフトのバージョン番号が外から見える止め方:バージョン番号を外に出さない設定にします。
  • sec-eol サポートが終わったバージョンのソフトが見える止め方:更新を適用して、サポートのあるバージョンにします。

米国企業・学校など使えなくなる

Google Voice(米国・2021年)

4時間22分

通話がつながらない状態が続いた時間

誰に何が降りかかったか

使う人:新しく接続した端末で、電話の発信・着信ができませんでした。Google:新しい証明書を急いで配り、再発を防ぐ手立てを公表しました。

何が起きたか

2021年2月15日(米国太平洋時間)、証明書の設定の更新がうまくいかず、Google Voice の入り口のシステムで使っていた TLS 証明書の期限が切れました。新しく接続しようとした端末はつながらず、インターネット電話の発信・着信ができない状態が合計4時間22分続きました。Google は謝罪し、期限が近づいたときの通知を増やすことや、証明書の入れ替えの自動化を進めることを示しました。

KnownFor のスキャンで関係する所見

  • sec-cert-expiring 証明書の期限が近い(または切れている)止め方:証明書を更新し、自動で更新される設定にします。

米国自治体・公的機関仕組みが止まる

カリフォルニア州(米国・2020年)

約30万件

処理されない、または数えられないままになった検査結果

誰に何が降りかかったか

州と郡:検査結果が届かず、感染者の数が正しく数えられませんでした。州:証明書を更新し、経緯を説明しました。

何が起きたか

検査会社から検査結果を受け取るシステムのデジタル証明書が7月31日に更新されず、8月4日まで無効のままでした。7月25日からのサーバーの障害と合わさって、約30万件の新型コロナの検査結果が処理されない、または数えられないままになりました。州の保健福祉長官が経緯を説明しました。

公開の Web サイトではなく、データを受け取るシステムの証明書です。期限切れで仕組みが止まる例として引きます。

米国自治体・公的機関入力した内容が読まれる

米国の8つの市の支払いサイト(2020年)

8つの市

支払いのページにスクリプトが差し込まれた市

誰に何が降りかかったか

住民:支払いのときに入力したカードの情報が読まれたおそれがあります。市:出典には、市がしたことの記載はありません。

何が起きたか

米国の3つの州の8つの市で、住民が公共料金などを払うサイト(Click2Gov)の支払いのページに JavaScript が差し込まれました。入力されたカード番号・セキュリティコード・有効期限・名前・住所が、外のサーバーへ送られていました。調べた会社は、2020年4月10日ごろから続いていたとみています。8つの市のうち5つは、2018年にも被害を受けていました。

出典では、原因は支払いのページに差し込まれたスクリプトです。出典は CSP には触れていません。出典は調べた会社の報告で、市の名前は書かれていません。

KnownFor のスキャンで関係する所見

  • sec-headers セキュリティヘッダーが不足している止め方:セキュリティヘッダーを足します。

米国企業・学校など使えなくなる

Microsoft Teams(米国・2020年)

約3時間

Teams が使えなかった時間

誰に何が降りかかったか

使う人:サインインできず、Teams を使えませんでした。Microsoft:原因を伝え、新しい証明書を配りました。

何が起きたか

2020年2月3日の朝、Microsoft Teams が約3時間使えなくなりました。サインインしようとした人には、HTTPS の接続ができないというエラーが出ました。Microsoft は「認証の証明書の期限が切れた」と説明し、新しい証明書を配って元に戻しました。

KnownFor のスキャンで関係する所見

  • sec-cert-expiring 証明書の期限が近い(または切れている)止め方:証明書を更新し、自動で更新される設定にします。

米国企業・学校など入力した内容が読まれる

メイシーズ(米国・2019年)

誰に何が降りかかったか

お客様:入力したカードの情報や連絡先が読まれたおそれがあります。会社:カードの番号をカードブランドに知らせ、12か月の無料の身元保護サービスを用意しました。

何が起きたか

2019年10月7日、第三者が macys.com の2つのページ(支払いのページと、My Account のウォレットのページ)に不正なコードを加えました。このコードは、お客様がそこで入力した名前・住所・電話番号・メールアドレス・カード番号・セキュリティコード・有効期限を写し取るものでした。10月15日に別のサイトとの怪しい通信で気づき、同じ日にコードを取り除きました。スマートフォンやアプリからの利用は対象外でした。

出典では、原因はページに加えられた不正なコードです。出典は CSP には触れていません。

KnownFor のスキャンで関係する所見

  • sec-headers セキュリティヘッダーが不足している止め方:セキュリティヘッダーを足します。

米国企業・学校など情報漏えい

Filters Fast(フィルターのネット通販・米国・2019年)

3年

直す更新が出てから攻撃されるまで

誰に何が降りかかったか

お客様:カード情報が取られました。知らせが届いたのは 1年以上あとでした。会社:最大12か月の個人情報の見セキュリティサービスを用意し、ニューヨーク州司法長官と 20万ドル(うち10万ドルは条件付きで猶予)で合意し、更新の管理を含むセキュリティの立て直しを約束しました。

何が起きたか

2019年7月、ネット通販の購入手続きの部分にある、すでに知られていた脆弱性を使われ、カードで買った人の氏名・住所・カード番号の有効期限・セキュリティコードが集められました。調査では、その脆弱性を直す更新プログラムは攻撃の 3年前に出ていました。サイトに更新が当てられたのは 2020年7月10日で、約1年の間の購入が対象になりました。影響は全米で約32万人です。

KnownFor のスキャンで関係する所見

  • sec-old-library 古い JavaScript ライブラリ止め方:ライブラリを新しいバージョンに入れ替えます。
  • sec-version-exposed ソフトのバージョン番号が外から見える止め方:バージョン番号を外に出さない設定にします。

米国自治体・公的機関開けなくなる

米国の連邦政府のサイト(米国・2019年)

80を超える

期限切れのまま更新されなかった .gov の TLS 証明書

誰に何が降りかかったか

サイトを使う人:警告が出て、一部のサイトは開けませんでした。組織:閉鎖の間、証明書が更新されませんでした。

何が起きたか

2019年1月、米国の政府機関の閉鎖が続く中で、.gov のサイトで使われていた80を超える TLS 証明書が期限切れのまま更新されませんでした(Netcraft の調べ)。司法省・NASA・控訴裁判所などのサイトで、ブラウザが警告を出しました。司法省のサイト(ows2.usdoj.gov)は証明書が2018年12月17日に切れており、HSTS の事前登録リストに入っていたため、Chrome と Firefox では警告を越えて進めず、開けない状態になりました。

KnownFor のスキャンで関係する所見

  • sec-cert-expiring 証明書の期限が近い(または切れている)止め方:証明書を更新し、自動で更新される設定にします。

日本企業・学校など使えなくなる

ソフトバンク(エリクソンの機器)(日本・2018年)

11か国

ほぼ同じ時刻に同じような不具合が報じられた海外の国

誰に何が降りかかったか

使う人:携帯電話や、同じ回線の固定電話が使えない、または使いにくくなりました。エリクソン:原因を発表し、問題のソフトウェアを外す作業を進めました。

何が起きたか

2018年12月6日の午後1時39分ごろから午後6時4分まで、ソフトバンクとワイモバイルの携帯電話(LTE)が全国で使えない、または使いにくい状態になりました。機器をつくるエリクソンは、ソフトウェアに入っていた証明書の期限切れを初めの調べでの原因と発表し、CEO が謝罪しました。同じような不具合は、エリクソンの設備を使う海外11か国の事業者でもほぼ同じ時刻に起きたと報じられました。

Web サイトの証明書ではなく、携帯電話の網の機器に入っていた証明書です。期限切れで仕組みが止まる例として引きます。

英国企業・学校など入力した内容が読まれる

ブリティッシュ・エアウェイズ(英国・2018年)

約429,612人

情報に触れられたおそれがある人

誰に何が降りかかったか

お客様:名前・住所・カード番号・セキュリティコードなどが読まれたおそれがあります。会社:不正なコードを止め、翌日(9月6日)に ICO・カード会社・お客様に知らせました。

何が起きたか

2018年6月22日から9月5日まで、サイバー攻撃者が社内のネットワークに入り、サイト(britishairways.com)の JavaScript のファイルを書き換えました。8月21日からの15日間、お客様が入力したカードの情報の写しが、サイバー攻撃者の持つ別のドメイン(BAways.com)へ送られていました。英国のデータ保護の機関(ICO)は、約429,612人の情報に触れられたおそれがあるとし、2020年10月に 2,000万ポンドの制裁金を科しました。

出典では、原因はサイトの JavaScript の書き換えです。出典は CSP(どこのスクリプトを動かせるかを絞る設定)には触れていません。ページの中で動くスクリプトから入力が読まれた例として引いています。

KnownFor のスキャンで関係する所見

  • sec-headers セキュリティヘッダーが不足している止め方:セキュリティヘッダーを足します。

英国企業・学校など入力した内容が読まれる

チケットマスター UK(英国・2018年)

940万人

影響のおそれを知らされた欧州の人

誰に何が降りかかったか

お客様:入力したカードの情報などが集められました。会社:チャットボットを外し、カード会社などに知らせました。

何が起きたか

支払いのページにも置いていた、外部の会社のチャットボットの JavaScript に、サイバー攻撃者が不正なコードを入れました。そのコードが、名前・カード番号・有効期限・セキュリティコードなど、お客様が入力した内容を集めていました。欧州の 940万人(うち英国 150万人)に、影響のおそれが知らされました。英国の ICO は2020年11月に 125万ポンドの制裁金を科しました。

ICO は、支払いのページに外部のスクリプトを入れる危うさは以前から知られていたとし、SRI(スクリプトが書き換えられていないか確認するしくみ)や CSP(どこのスクリプトを読み込めるかを決める設定)などの対策を挙げました。会社は、当時 CSP を使っていなかったと認めています。

KnownFor のスキャンで関係する所見

  • sec-headers セキュリティヘッダーが不足している止め方:セキュリティヘッダーを足します。
  • sec-no-sri 外部から読み込むスクリプトに、改ざんを検知する仕組み(SRI)がない止め方:外部から読み込むスクリプトに、改ざんを検知する integrity 属性(SRI)を付けます。

トルコ企業・学校など偽のソフトが届く

ソフトの配布サイト(トルコ・2018年)

誰に何が降りかかったか

ダウンロードした人:スパイウェア入りのソフトが届きました。サイト:Opera と CCleaner は、報告の時点までにダウンロードを直しました。

何が起きたか

トルコの通信会社(Türk Telekom)の網の中で、Avast・CCleaner・Opera・7-Zip などの公式サイトからソフトを落とそうとした人が、スパイウェア入りの版へ切り替えられました。これらのサイトは、HTTPS に対応していても、初めは暗号化しない(HTTP の)ダウンロードへ案内していたため、途中で差し替えられたと報告されています。報告は、トルコとシリアの数百人に影響があったとしています。

出典は研究機関(Citizen Lab)の報告です。報告は、ソフトの配布サイトを中心に HTTPS を広く使うよう求めています。

KnownFor のスキャンで関係する所見

  • sec-no-https http から https への転送がない止め方:http から https への転送を入れます。

英国自治体・公的機関端末が勝手に使われる

英国の公的機関などのサイト(2018年)

4,000超

影響を受けたサイト

誰に何が降りかかったか

訪れた人:知らないうちに端末が使われました。部品の会社:部品を止めました。ICO は調べる間サイトを閉じました。

何が起きたか

2018年2月11日、多くのサイトが読み込んでいた読み上げの部品(Browsealoud)の JavaScript が書き換えられ、訪れた人の端末で暗号資産を掘るコードが動きました。英国の ICO、NHS(国の医療)の病院、地方の役所など、4,000 を超えるサイトが影響を受けました。英国の NCSC(国のサイバーセキュリティの機関)によると、利用者のお金は取られていませんが、端末の動きや電池に影響したおそれがあります。

NCSC は、外部の JavaScript を入れるかを考えること、SRI(スクリプトが書き換えられていないか確認するしくみ)、CSP(どこからスクリプトを読み込めるかを決める設定)を挙げ、よく決めた CSP があればこの攻撃は止められたとする研究者の見方も紹介しています。

KnownFor のスキャンで関係する所見

  • sec-headers セキュリティヘッダーが不足している止め方:セキュリティヘッダーを足します。
  • sec-no-sri 外部から読み込むスクリプトに、改ざんを検知する仕組み(SRI)がない止め方:外部から読み込むスクリプトに、改ざんを検知する integrity 属性(SRI)を付けます。

日本自治体・公的機関

尼崎市(2022年)

ウェブの事件ではありません(スキャンの対象外)。起きたあとに組織に何が起きるかの参考として載せています。

  1. 1委託先が USB メモリーを紛失
  2. 2全市民約46万人分の個人情報
  3. 3市長が会見で謝罪
  4. 4問い合わせの電話 1日1万6千件超

約46万人分

紛失した USB メモリーに入っていた個人情報

誰に何が降りかかったか

全市民約46万人:個人情報の入った USB メモリーが紛失しました。市:会見と、1日で1万6千件を超える問い合わせの電話への対応(報道による)。

何が起きたか

全市民約46万人分の個人情報が入った USB メモリーを委託先が紛失しました。市長が会見で謝罪し、報道によれば会見のあとの問い合わせの電話は 1日で 1万6千件を超えました。市長の期末手当約195万円は全額減らされました(市によれば前例がない)。

IN A KNOWNFOR REPORT

同じ種類の脆弱性が見つかったら、
レポートは5段で示します。

国の「警戒レベル」と同じ考え方で、段階の数字と「とるべき行動」を1対1にしています。守りの点検の結果から、機械で決めます。

サイバー攻撃者は、不正に入り込み、情報を盗む・壊す・身代金を求めます。全国のサイトを365日24時間、自動でスキャンし(警察庁のセンサーには、1つのアドレスあたり 1日 1万3,687件)、見つけた脆弱性を悪用することがあります。

レベルとるべき行動どんな状態か
51週間以内に止める今日依頼を出す実際の攻撃で悪用が確認できた脆弱性が見える/お客様の入力が暗号化されずに送られる。サイバー攻撃者の自動スキャンは、すべてのサイトに毎日届いています。見つかれば、侵入や入力の盗み見の入口になります
▼▼ 警戒レベル4 までに必ず担当と期日を決める ▼▼
41か月以内に直す放っておくと被害が起こり得る(重大)。サイバー攻撃者に見つかれば、被害の入口になります
3次のスキャンまでに直す1つだけでは被害にならないが、ほかの脆弱性と重なると被害につながる(「注意」が2つ以上)。サイバー攻撃者は脆弱性を組み合わせて使うことがあります
2直す計画に入れる足がかりになる設定の不足(注意・軽微)。サイバー攻撃者が下調べに使う手がかりになります
1確認し続ける点検した範囲で見つからない(「安全」ではありません)。自動スキャンは毎日続いています

KnownFor のレポートの表の見本です。どの段になるかは、サイトごとの点検の結果で決まります。

自社のサイトのレベルを確認する

EDITORIAL RULES

この記録の決まり

  1. 出典で確認した事実だけを書きます。出典に無い数字(被害の金額の見積もりなど)は書きません。
  2. 被害にあった組織を責めません。攻撃したのはサイバー攻撃者です。組織が発表したことで、ほかの組織が備えられます。
  3. 攻撃の手順や、特定の組織を名指しした予告は書きません。
  4. 事件の文は、KnownFor が出典から要約したものです。原文は出典でご確認ください。報道の文や図は写しません。
  5. 出典は半年ごとに確認し直し、確認した日を事件ごとに残します。
  6. 誤りに気づいたら、お問い合わせからお知らせください。確認して直し、直した日を残します。

ここに載せた事件は、記録のある、ほかの組織の出来事です。読んでいる方の組織で起きた・起きる、という意味ではありません。

KnownFor は、出典に挙げた機関(米国 CISA・警察庁・NICT・IPA ほか)とは関係がなく、推奨や承認を受けていません。各機関の名前は、出典を示すためだけに使っています。

官公庁の資料は、各機関の利用条件(公共データ利用規約 PDL1.0 など)に従い、出典を示して要約・加工しています。KnownFor の守りの点検は、外から見える範囲を受け身で確認するもので、侵入テストや安全の保証ではありません。